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前穂高北尾根・屏風岩東壁・雲稜ルート

 以前より、バン亀から行こう行こうと言われていたルート。俺の夏休みに亀が合わせてくれて行く事になった。毎度、涸沢行く度に、屏風岩眺めては、あんな壁、登れるのかなぁぁぁ・・・登れたらいいのだろうなぁぁぁ・・・特に189の頃、初めて屏風岩見た時は、痛烈に痛烈に感じた次第です。はい。

メンバー : 白鳳会 L亀田博生(文中、バン亀or) 植松一好
2004年729日(木) 天候 晴れ後雨後曇り

ほどよく晴れが続いていましたね。が、いきなり南海上に台風10号発生、週末にかけてじわじわと日本列島に接近。北に行けば晴れる天気図、で、本日は、様子見でのんびりと横尾まで行きましょう。7時、バン亀が家に来る。甲府盆地は今にでも雨が来そうですね。

松本盆地は晴れているだろう的に出発。岡谷のトンネル抜けると晴れていました。

沢渡からガラ空きのバスに乗込んで上高地へ。3m級の山々は生憎のガスが掛かっているが全体的にはよく晴れています。横尾までのんびり行って、屏風岩が見える最高なロケーションにテント設営。時間はたっぷりあるので、設営後、屏風岩取付きまで偵察に行く事にしました。横尾から20分ほどで、岩小屋跡着。ここから河原を行って沢を渡渉ですが、沢水多く渡渉地点を捜します。まぁ、ここいらだろう的に靴と靴下脱いで沢を渡りました。

雪解け水は非常に冷たいですね。さて、テントに戻って、屏風岩眺めながらウイスキーを飲みます。雨降って、テントに入ればすぐにやんで、また気持ちよく外でウイスキーを飲みます。やがて、雲もブッ飛んで、前穂北尾根が鋭利な姿を見せてくれました。

2004年730日(土) 天候 晴れ

3時過ぎ、亀に起こされる。4時、ヘッラン着けて出発。横尾谷を渡渉する頃、明るくなりました。Ⅰルンゼ末端の涸沢を延々と詰めます。目の前は屏風岩が屏風のように???

立ちはだかり、グングン近づき、近づく都度、上見上げれば首が痛いほどとなります。

屏風岩末端着。獅子ウド満開です。壁取付きには切れたスリング、折れ曲がったハーケン等無数にあります。壁には残置ロープやら支点の着けたしが沢山あり、この壁の物凄さを物語っているようです。さて、ここはまだ雲稜ルートへのアプローチ壁です。

T4と言う所まで行かなければなりません。アプローチ壁と言っても充分立っています。

今回基本的に、すべて空荷で亀リード。荷物は植松があげます。

1ピッチ目亀リード、2ピッチ目も亀リード。2ピッチ目途中被っていて、俺はすんなりA0で越えました。3、4ピッチはコンテ状態で草付き帯。5ピッチ目チムニー状を植松リード。でT4到着です。ここはビバーク可能ですね。

さてさて、ここからが雲稜ルートです。ジェードル状を快適に亀がロープを伸ばします。

「う~ん、、、楽しい!!!」奴はこんな余裕なコールを飛ばしています。

50mいっぱいでビレイ解除。さて俺です。ガバッとガバ掴んで快適ですが、段々立ってきます。で、ハングになって・・・結構大変ですよーーー。で、二人がやっと立てるピナクルテラスへ。7ピッチ目も亀リード。ここも奴はフリーで行きます。気合の雄叫びが壁に反響します。やがてビレイ解除のコール。俺も取付きます。しかし、ここもそこもあそこあっちもこっちもこの壁はむずい!俺にはむずかしい!!!ですです。。。

足元は凄い高度感です。やがて俺もこの壁唯一安心な扇テラスに到達しました。

喉カラカラですが、天候と緊張で二人とも水はもうわずかです。そして、ここからが核心です。立っている壁には埋め込みボルトが連打されていますが、その多くのリングがブッ飛んでいて、リングを通していた穴には今にも切れそうな風化されたスリングが気休め的に通してあります。当然、衝撃荷重はかけられませんよね。

この壁、フリーでは11cだそうな。で、亀はフリーに挑戦します。左上には唯一しっかりしたRCCボルト、ここにヌンチャク通してフリーに挑戦です。34度挑戦しましたが、登れません。(俺の目ではどこにホールド、スタンスあるかわかりませんけどね)

あきらめて、人工で行きます。天に向かってグングンロープを伸ばして行き、ハング帯を右にトラバースして行きます。やがて、東壁ルンゼに到達したのでしょう。ビレイ解除のコールです。さて、俺です。時間も時間なのでつり革状態でバンバン行きますが、いかんせん立っています。途中フイフイ使ってレストしました。最後はハング帯下のトラバース、ここはチョット泣きが入りましたね。まぁ、越えたけど、物凄い高度感ですよ。

安全な東壁ルンゼに出、セルフビレイ取って、ホッ!・・・

この後、ルンゼスラブ23ピッチあるのですが、明日の予定があるので12時リミットで降ります。雨も降ってきました。真下に虹が掛かります。同ルートを懸垂で降りますが、なにぶん立っているので懸垂で降りて行って、そこに次の懸垂支点があるとは限りませんよね。まさにロシアンルーレット懸垂で亀が行きます。で、降りたら、ロープが引けるかを必ずチェック入れます。何とか最初は扇テラスに着いた模様です。

ロープ引きも確認し懸垂し扇テラスに着きました。と亀が怖い顔しています。

「うえまっさん、ここで糞したら・・・」「えっ!なんで知ってるだー・・・糞は壁に落としたぞ!」「だって!クセイし、ハエが凄いし!」こいつまじで怒ってやがんの、生理現象やもんしゃーないじゃんねー。。。さてその後も7ピッチの懸垂繰り返します。

途中、赤を引くのか黄色を引くのかこんがらがりましたが、無事、取付き点に帰ってきました。緊張感から脱出し、喉の渇きと空腹が一気押し寄せた次第です。

武装解除して横尾谷に降り、テント撤収、終バスまで時間がありません。

身体はボロボロですが、飛ばして飛ばして、終バス一本手前のバスに乗込めました。

明日は八ヶ岳の沢か・・・などと考えているうちに沢渡まで眠ったようです・・・

コースデータ

横尾4:005:40屏風岩取付き6:107:40T4 8:0010:10扇テラス(フリー挑戦)11:00

12:00東壁ルンゼ撤退12:2014:40屏風岩取付き15:0015:45横尾16:1018:20上高地

18:3018:55沢渡=21:10韮崎

屏風岩の登攀は意外と新しいそうです。とにかく目立つ大岩壁であるにもかかわらず、急峻で手がかりに乏しい花崗岩の垂壁が、長い間、技術のレベルを超えた、登攀不可能の存在として認識されていたそうです。戦前に各ルンゼ、藪に覆われた北壁が登られ、戦後(昭和22年)に正面壁・中央カンテを初登したそうです。投げ縄、岩を削ってのホールド、スタンス作り、ワンビバークの末だそうです。『石岡繁雄著・屏風岩登攀記』そして、屏風岩の中でも最も傾斜が強く、すっきりした壁である東壁が登られるには、さらに10年以上の歳月が必要とされたそうです。昭和35年、東京雲稜会の南博人・石橋保男・多久長のパーティは、2度試登ののちに東壁に挑み、4回のビバークを経て攻略したそうです。

開拓に要したボルトは38本、ハーケンは実に65本、ここに屏風岩東壁雲稜ルートが完成したそうです。

とにもかくにもまぁ凄い壁ですよ。先人達のパイオニア精神にはただただ脱帽です。そしてそれらの壁が現代ではフリー化、ですからね。いやはや・・・

うちの亀はまた挑戦するそうです。どう?いかない?と言われたけどね。今はご馳走様です。とにかくバン亀よ、ありがとう・・・


200483日 白鳳会 植松一好


テン場より屏風岩

テン場より屏風岩2

前穂北尾根

屏風岩・雲稜ルート(写真押すと拡大画像

T4までの2ピッチ目・バン亀

T4・取付・ジェードル状・バン亀(写真押すと拡大

扇テラスからはほぼ垂壁・バン亀

高度感は凄いです。(写真押すと拡大画像

高度感満天・ハング下トラバース

こんな懸垂を50m・8ピッチ行います。

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