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錫杖岳 前衛フェース 左方カンテ

2006年2月11日(土) 天候 雪
メンバー : 佐藤祐介(めっこ山岳会) バン亀(白鳳会)

木曜の夕方、佐藤君から電話があり、「錫杖ニルンゼに行きませか」と言われた!
バン亀は錫杖には行った事がなく、かねてから行ってみたいと思っていたのでOKの返事をした。
佐藤君と山に入ってみたかったし。

金曜日の夜に新穂高温泉に移動。
佐藤君ご推薦の快適床暖トイレで寝る。

四時起床。
外は雪が降っている。深夜から朝にかけて車には15cmの積雪。

5時30分に槍見温泉出発。
ヘッランを頼りにわかんを着け登り始める。
ラッセルは膝。
佐藤君のルーファイはほぼ完璧!ラッセルはほとんど彼がする。早い!強い!
バン亀はひたすら付いて行くのみ。

斜面をトラバースしている時、なんの前触れもなく、音も無く、目の前に雪煙が!雪崩だ!!
自分の体を包み込むように流れて来た。
流れた雪の量はたいしたことないが、バン亀の心拍数は急上昇した!

しばらく行くと前衛フェースが姿を現した!スゲ~、生で見たのは初めてなので感動。

錫杖前衛フェース

1ルンゼではものすごいスノーシャワーが見える!
さらにラッセルし、クリヤ谷岩小屋着。
そこから樹林帯を直上。
ラッセルは胸。
岩壁基部が見えると、3ルンゼからまた雪崩!「佐藤隊長、あれはありですか~?」・・・「なしですねぇ~」
当初登る予定だった 2ルンゼはやめ、左方カンテを登る事にする。
左方カンテ取り付きまでさらに基部をトラバースしていく。
佐藤隊長はガンガン行きます!
1ルンゼの基部の傾斜はかなり強く、登りに一苦労。
見上げると1ルンゼがすごい!見事な氷柱が上部に伸びている。
さらにいやらしい傾斜のトラバースをして、やっと取り付きに着いた。
11時30分。ここまで5時間かかる。

1ルンゼ



準備をして12時に取り付く。
佐藤隊長オールリード。

1P目
ルンゼ内の岩に張り付いた薄氷をダブルアックスで登る。
目の前の被った岩をアックスの引っ掛けで乗っ越す。

2P目
フェースを5m登り雪壁。バン亀、出だし、足ブラムーブになる!
雪壁、木をつかみながら登る。

3P目
通常A1のピッチ。完全なるドライツーリング。
佐藤隊長は岩に付いてる雪を払い除けながらホールドを探す。
核心、ホールドを探すのに時間がかかる。レストしてかなりねばったが、腕がパンプしてしまい「テンショ~ン」のコール。
少々休み、回復して、しっかりフリーで突破した!
バン亀フォローに入るがフリーにはこだわらずA0ガンガンでいく。A0でもかなり悪い。
A0出来ない所はとてもバランシーな登りでムズイ。
なんとか落ちずにビレイ点へ。

3ピッチ目 佐藤隊長


3ピッチ目フリー 佐藤隊長 (絵動きます)

4P目

スノーシャワーがひっきりなし降ってくる。
ロープはどんどんのびて、上からのコールは聞こえない。
ロープいっぱいになったのでバン亀登りだす。
このピッチも岩に張り付いた薄氷で微妙な引っ掛けで登る。
10mほど登った所で、甘い氷に刺したピックが抜けてフォール!
すぐに体制整え登り返す。あ~あ落てしまった~。
佐藤隊長、ずいぶんロープをのばしたようで長い長い!やっとビレイ点。
出だし、わずかだがコンテになっていたようだ!

最終P
核心ピッチ。時計を見ると4時。
佐藤隊長登り出す。このピッチもかなり悪そうだ。

最終ピッチ1 佐藤隊長


最終ピッチ2 佐藤隊長


ビレイして30分経過・・・寒い。ひたすら目の前岩とにらめっこ。
1時間経過・・・ビレイ解除のコール。
バン亀フォローに入る。
悪い!細かい引っ掛けでじわじわ上がる。A0でもいっぱいいっぱい。
被りぎみの岩をアックスの引っ掛けとアイゼンのスメアでなんとか乗っ越す。
高度感満点!ここで落ちたらマジやば。
その後の垂直の雪壁が悪い悪い。足元はどんどん崩れ、アックスを突き刺すが氷が甘い。
恐る恐る雪壁を登る。さらに次のトラバースも最悪。
リッジに出て左方カンテ終了点の佐藤隊長が見えた。後10m。
このフェースも悪い。最後の最後まで気が抜けなかった。
このピッチをリードした佐藤隊長は超人だ!それもフリーで!
で、隊長一言「こんなのなんてことないですよ、普通です」
あぁ・・・そう・・・

暗闇が迫っていた。
バン亀が終了点に着いたのが5時45分ぐらい。佐藤隊長が下降し始めると同時に暗くなった。
バン亀、暗闇懸垂初体験!
隊長は手慣れたもので4回の懸垂で取り付きに戻った。
6時45分取り付き着。

7時30分取り付き出。
トレースは消えている。
またいやらしいトラバリラッセル。
トップはもちろん隊長殿。
樹林帯に入りトレースが残っていたのでそれを頼りに岩小屋着。
佐藤隊長、明日の為に装備を岩小屋にデポ。
8時30分岩小屋出。

10時10分槍見温泉着。
おつかれ~。
本日の行動時間、約17時間!
長いなが~い一日でした。

今回の山行、冬壁の経験がほとんどなかったバン亀はかなり厳しかった。
雪崩の恐怖、冬壁登はんの難しさ、寒さ。そしてなにより大事なのは、登るという強靱な精神力だと思った。
佐藤君はほんもんのクライマーだ!今までもすごい奴だとは思っていたが、今回の山行で新たに彼のすごさが身に染みた。

そして翌日、佐藤君は新たなパートナーとふたたび槍見温泉を後にする。
この日、2ルンゼを登ったそうだ!
時間ぎれで途中までだった。
暗くなっても登り続けたが、足元が見えにくくあきらめたとの事。
左方カンテより全然悪かったそうだ!

バン亀、今回ほんといい経験をしました。
佐藤君ありがとう。
お疲れ様。
 
バン亀

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